【書評】一色さゆり『神の値段』を読みました。
「このミステリーがすごい !」2016年大賞受賞作の『神の値段』を読み終えました。著者の一色さゆりさん、私の知人の知人なのです。知人が熱心に読んでね!アピールしていたので(笑)久々にハードカバー買いました。
【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 神の値段
- 作者: 一色さゆり
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: 単行本
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メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない現代美術家・川田無名。彼は、唯一つながりのあるギャラリー経営者の永井唯子経由で、作品を発表し続けている。ある日唯子は、無名が1959年に描いたという作品を手の内から出してくる。来歴などは完全に伏せられ、類似作が約六億円で落札されたほどの価値をもつ幻の作品だ。しかし唯子は突然、何者かに殺されてしまう。アシスタントの佐和子は、唯子を殺した犯人、無名の居場所、そして今になって作品が運びだされた理由を探るべく、動き出す。幻の作品に記された番号から無名の意図に気づき、やがて無名が徹底して姿を現さない理由を知る――。
以下、読んだ感想です。
ミステリーという分野は好きで、過去にもちょこちょこと読んできたのですが、こちらの作品は「犯人探し」「トリック解明」「背筋ゾクゾク」といった要素はあまりないように思いました。
ですが作品の舞台が美術界という、一般の人からするとそれ自体がミステリアスな世界。その美術界での出来事や仕組み、人間模様がとても緻密に描かれていて、だんだんと真相が見えていくところはミステリーの謎解きそのものです。
そして個人的にすごいと思ったのは、文章のみでアート作品をイメージさせてくれるところ。挿絵など一切ありませんが、作品中で扱われているアートがどんなものか、読み手の頭に浮かんできます。物語のテンポも良く、そのテンポを崩さずにかつ細かく表現できるのはすごいです。
ミステリー小説というと真相(たいてい犯人)が明らかになるところが面白いので、一回読み終えるともう一回読もうとはあまり思わないのですが、この作品はミステリーとしてではなく純粋に読み物として面白かったので、もう一回読んでみたいと思います。アートとマネーの関係あたり、けっこう勉強になりますし!
なんとなくお察しかと思いますが、「ミステリー」としてはちょっと物足りないですね。。あんまり書くとネタバレになってしまうので、これ以上は書きませんが。「だいたい予想通りだった」とだけ(^-^;
以上、簡単な書評でした。子供のころから読書感想というのは苦手でして…感想文にはあらすじばっかり書いてましたねw
感想を上手に書ける方がうらやましい!
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